2021年上半期楽曲10選+番外編 ~前編~
津玖ひばめと申します。
2021年上半期楽曲10選、やっていきます。
はてなブログはタグの設定がブログ記事1つにつき10個までしか設定できないので前後編に分割。
【レギュレーション】
・2021年に初めてフル音源がリリースされた楽曲から選出
・同じアーティストから2曲以上選出しない
本編
1. 新世界から 月詠み
作詞:ユリイ・カノン、mikoto 作曲:ユリイ・カノン 編曲:ユリイ・カノン、とうかさ
ボカロPとしても活動しているユリイ・カノンさんがコンポーザーのバンド、月詠みの3曲目の楽曲。
間違いなく2021年上半期楽曲10選中ダントツの1位。
iTunesライブラリ総再生回数も1位という裏付け有り。
Aメロで鳴っているピアノの流れるような音が曲への導入と没入感を高めていて、この時点で引き込まれていきます。
歌詞の終わりと次の歌詞への間に寄り添うように鳴るピアノの音が本当に好き。
この音があるからスッと次の歌詞への接続がスムーズに繋がっていると感じます。
音でありながら歌詞の接続詞のような役割を果たしているのが凄すぎる。
間奏のピアノの盛り上がりもとんでもなく良すぎます。
ユリイ・カノンさんの音楽の歌詞は日本語の表現が単体としてそれだけで本当に美しいですね。
目が覚めた今も僕らはまだ夢を見ている
といった、文学的表現。
また
過去になっていく 想いも色褪せていく
どんな言葉も どんな思いだって過去に変わって
といった、今が過去になっていく様を表現するのが上手すぎます。
そんな月並みな未来ごめんだとか思ったのに
なあ あの日の僕が今の僕を見たら何を思う?
何十回 何千回
やり直したって
同じ場所に辿り着くんだろう傷も 後悔も
全部無く生きていたら
それは僕じゃないんだから
この部分はユリイさんが影響を受けているクリエイターの人生に対する考え方を引用・踏襲しているようで、この二人の考え方に非常に影響を受けている自分としても、解釈一致!解釈一致!!と歓喜せざるを得ませんでした。
そして、この楽曲の世界観というか内容、歌詞で1番本当に好きな部分はラスサビの
何もかも煌めいていた予想図とは少し違うけど
どんな世界でも
どんな歪んだ形でも
僕らはきっと笑っていれる
どんな歪んだ形でも
ここなんですよ。
「正常じゃない、たとえ異常であったとしても」と、最後の歌詞を修飾するこの部分なんですね。
どんな世界でも
僕らはきっと笑っていれる
でも終わり方として100点なんですが、「どんな歪んだ形でも」が間に入ることによって120点の終わり方になるんです。
ここだけでも覚えて帰ってほしい。
2. 機械油 ずっと真夜中でいいのに。
作詞・作曲:ACAね 編曲:100回嘔吐,Open Reel Ensemble,ZTMY
収録『ぐされ』
作詞作曲を手掛けるACAねさんを中心とした音楽ユニット、ずっと真夜中でいいのに。の楽曲。
タイトルからしてすごい。
何?機械油って。
そしてこの楽曲のメイン楽器は三味線なんですよ。
さらに歌にはラップのような箇所があるんです。
三味線で!!!!!!!!!!
ラップを⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉⁉
ACAねさんの発想が凄すぎる。
既存に捕らわれない斬新な発想がずっと真夜中でいいのに。の楽曲たちの素晴らしい点の1つです。
ちなみにこの楽曲はライブ披露時にACAねさんが電子レンジをバールのような金属の棒でぶっ叩いていました。
なんだこのシュールな絵面は・・・。
歌詞の面でもずっと真夜中でいいのに。を連想するワードが登場していて楽しくて面白いです。
「脳裏上に詰まったlonely」、「ずとまよ遠征隊」など。
脳裏上というのは脳裏上のクラッカー。
ずとまよは言わずもがな。
遠征隊は居眠り遠征隊。
脳裏上のクラッカーは「のうりうえ」と読むのですが何故か機械油の脳裏上は「のうりじょう」となっています。謎。
ACAねさんの歌詞は言葉遊びも秀逸。
また「稲妻のレンジ叩け」という歌詞も登場します。
未音源化楽曲に「クリスマス油」という楽曲が存在していて機械油とどのような関係性があるのか、ないのか気になります。
3. デモーニッシュ ツユ
作詞・作曲・編曲:ぷす
ボーカルの礼衣さんとコンポーザーのぷすさんを中心とした音楽ユニット、ツユの楽曲。
ツユの楽曲は劣等感を表現するのが本当に上手い。
そしてこの楽曲は展開がジェットコースターのように落差が激しく切り替わっていきます。
これを歌い上げているボーカルの礼衣さんの歌唱力が凄い。
ツユ史上最高難易度の楽曲(YouTube公式コメント)。
歌詞の内容は劣等感と羨望が剥き出しのような内容で精神へどんどん侵食してくるようです。
ツユにも途中からキーボードの方がメンバーとして加入されているんですが、メンバーにキーボーディストがいると楽曲に幅が出るのと、サウンド面でのアクセントになって非常に良いです。
4. 惑星トリップ Endorfin.
作詞・作曲・編曲:sky_delta
収録『モノローグ・オフ』
ボーカルの藍月なくるさんとコンポーザーのsky_deltaさんによる同人音楽ユニットEndorfin.の楽曲。
この楽曲は全体を通しての「浮遊感」が素晴らしいです。
聴いていると宇宙を漂っている気分になります。
トリップというのもダブルミーニングですね.。
1. (短期間の)旅行
2. 陶酔状態になること
この楽曲はApple Musicで歌詞が表示されないのと、収録されているCDをまだ購入していないため、歌詞を完全に把握していません。
完全に曲と雰囲気のみで10選に入っています。
とりあえずサビだけですごいので。
曲もインスト単体でのクオリティが高すぎる。
Endorfin.は音源にインスト音源も一緒に収録してくれるところ非常に好感が高い。
5. 春を待つ(feat. 倚水)
作詞・作曲・編曲:Islet
同人音楽ユニット、Isletの楽曲。
春は出会いと別れの季節ですが、この楽曲は別れの歌です。
詩で綴られる別れと春の情景描写が重なり合ってどこまでも儚くて美しい曲。
春になれば雪は溶けてしまいますが、命をその雪に例え、命がこの世から消えていく様を春風に攫われていくという表現が秀逸すぎます。
この楽曲は「命を攫っていく春風」が主題だと解釈していて、ヨルシカの春泥棒とは内容が似ている曲なのですが、別れを明確に歌っている点でしっかり差別化ができているなという結論に至っています。
ボーカルとして参加されている倚水さんの歌もこれ以上ないくらい楽曲の世界観に合っています。
あと、倚水さんの 三日月ステップ 歌ってみたは本当に聴いた方が良いですよ。
倚水さんはボカロ曲と人が歌うことを前提の曲とで歌い方?声?が違うように聴こえるんですが、そこは本人が意識してそうされているのか気になるところです。
番外編
ここでは2021年上半期楽曲の中でリテイク、リアレンジされた良かった楽曲と2021年上半期にリリースされた良盤についてちょっと書きます。
1. -ize 2021 r-906
作詞・作曲・編曲:r-906
収録『in my hands』
ボカロP、r-906さんの楽曲。
サウンドのクオリティが高すぎる。
イントロ、アウトロ、低音、ピアノが特に聴いていて気持ちいいです。
多動。
この曲の原曲がどこにあるのかわからないんですけど、単純に曲としてつよすぎます。
あとこの楽曲タイトルなんて読むんだ・・・。
三日月ステップとムーンライトダンサーをr-906さんのアルバムに収録してほしいので2ndアルバム制作をお待ちしています。進化版での収録だったら最高ですね・・・。
2021年上半期リリース良盤
1. ぐされ ずっと真夜中でいいのに。
1stフルアルバムは完全新規収録の楽曲が3曲しかなかったのに対して、ぐされは完全新規収録が6曲という新鮮さに加えてずっと真夜中でいいのに。の進化と深化が凄まじいことになっています。
はう゛ぁ→機械油→暗く黒くの流れが最高すぎるんだよな・・・。
繰り返す収穫も好きで編曲がサターンと正義と同じ人で完全にやられています。
久保田真悟(Jazzin’park)さん、一体何者なんだ。
2. Transpain 藍月なくる
藍月なくるをすこれ。
Othello syndromeのトゥルエン感がすごい。
作詞:結崎有理 作曲:sky_delta というEndorfin.+結崎有理という布陣が最強。
結崎有理さんは
のアプルフィリアの秘め事の作詞もされています。
3. in my hands r-906
夢遊病ダンサー 2021→-ize 2021の勢いが凄い。
既存曲の2021 ver. での進化が素晴らしい。
アートワークのセンスも素敵すぎます。
4.モノローグ・オフ Endorfin.
歌詞を把握していないというのに曲だけでここまで聴かせるsky_deltaさんが凄すぎます。
黒猫とある部屋で目覚めた人間のストーリーが展開されていると公式で見たのでCDを購入したらしっかり歌詞カードを見ながら1周します。
(まだ買わなくて大丈夫だろと思っていたら最寄りのメロンブックスから在庫が消えたので通販で取り寄せています、今。)
後編へ続く。