r-906さんの楽曲について 一方的に愛を語らせてよ
2022/04/25(月)の夜、ボカコレ(The VOCALOID Collection)2022春の結果発表がありました。
久しぶりに里帰りをしているような気分になりながら結果発表のニコ生を見ていた。
結論から言うと、
まにまに/初音ミク - r-906
ランキング1位・優勝おめでとうございます!!!!!!!!!
本当に良かった。
久しぶりにリアルタイムでお祭りに参加して、その祭りをお開きまで見届けられた気がします。
ということで、ここからはr-906さんとr-906さんががこれまで制作された楽曲について趣味に走って一方的に愛を語り楽曲紹介をしていきます。
r-906さんについては、わかりやすくまとめられている以下の
を読みましょう。
補足情報を追記するのであれば、
・天文学の分野を専攻
・弓道経験者
・身長185cm
などが挙げられます。
r-906さんのボカロがめちゃくちゃ好きなところと、自分の作品に対する思い入れや意味の込め方、美学や哲学と言えるような創作への姿勢が最高に好きで尊敬せざるを得ないです。
ボカロへの愛は本人Twitterを遡れば感じられるはず。
楽曲紹介へ
- 1.三日月ステップ / 初音ミク
- 2.ムーンライトダンサー / 初音ミク
- 3.w/o U / 初音ミク
- 4.-ize 2021 / 初音ミク
- 5.ノウナイディスコ / IA [CeVIO AI]
- 6.アイソトープ / 可不
- 7.まにまに / 初音ミク
1.三日月ステップ / 初音ミク
「一方的に愛を語らせてよ」
これがr-906さんを知ったきっかけの楽曲です。
MVが初めてボカロ曲を聴いた人の動画を彷彿とさせる内容で新しい出会いなのに懐かしさを感じたのを覚えています。
今回のブログタイトルに含まれる「一方的に愛を語らせてよ」という文はこの楽曲中の歌詞を引用したもの。
シンプルに感じる構成で自分の中にスッと入ってきた楽曲でした。
MV中の歌詞の見せ方もお洒落かつ格好良い。
音が文字通り、跳ねるようなステップをイメージするような音。
しかし歌詞は自分から相手への一方的な感情を歌う内容。
切なさであるとかやりきれなさを感じます。
「一方的に愛を語らせてよ」が楽曲の最後の方になると
「一方的に愛を語らせてよ!」になっているところがすごい好き。
三日月って届かない夜空に浮かんでいて綺麗でずっと見惚れていたいのに、気づいたら見えなくなってしまっている。
三部作『Lunar Calendar』の1作目。
陰暦三日目の月が西の空に姿を現し始める時間帯に投稿された。
2.ムーンライトダンサー / 初音ミク
「嘲笑ってくれないか」
歌詞を書き起こすと楽曲の再生時間の4分19秒に対して9行しか無い。
実質的にはインスト曲とも言える。
ボカコレ2022春の優勝曲、まにまにの上を行くサウンド偏重の楽曲。
最初は全然歌詞が流れてこないため得体の知れなさを感じました。
しかしなんだこれ・・・と繰り返し聴いていると徐々に音だけで聴かされてしまうようになる。
楽曲への不思議な誘引力があります。
歌詞の
月「が」綺麗だ
の部分が最後に
月「は」綺麗だ
になっているところに含みと想像の余地を感じます。
三部作『Lunar Calendar』の2作目。
東の空に満月が現れる頃に投稿された。
2作目にこの曲を持ってくる圧倒的センス。
3.w/o U / 初音ミク
「夜に酔って」
タイトルの読みは"without you"。
without youを和訳すると「あなたなしで」。
見えなくなった月ともういない君。
ここまで来たら曲を一度聴いて、それから歌詞をしっかり読んだ方が耳と目と脳により響くはず。
夜に酔ってわらって歌っていた君を思い出して忘れたくて。
それでも愛おしくて、最後は自分ひとりで泣いて夜に酔っている。
「わらう」が「笑う」でも「嘲笑う」でもないところが、文字として読まないと理解できないこだわりを感じられて素敵です。
「夜を塞いで、星をつないで 眠らないで
踊ろう?」
囁くように言われた気がして 足がすくんで
の歌詞は、三日月ステップの歌詞で
さあ僕の手を取って 軽やかにステップを
あと少しだけ
のところから心境の変化と時間の経過が感じられます。
三部作『Lunar Calendar』の3作目。
空から月が居なくなる時間帯に投稿された。
Lunar Calendar、EPとしてCDで欲しい。
気持ちの上では906枚は買いたい。少なくとも3枚は手元に置いておきたい。
ここで小出し情報、もしくは豆知識。
r-906さんの楽曲MVは基本的に最初
「Hello.」
「Nice to meet you!」
で始まり、最後に
「Thank you for listening!」
で締め括られます。
この導入から締め方が非常にスタイリッシュで美しい。
MVをシンプルなサムネイルと歌詞だけで魅せるのが上手すぎる。
また、楽曲それぞれに対応する記号のようなマークが存在し、サムネイル内に含まれている、もしくはサムネイルとなっています。
公式サイトではMusicの項目にあるマークを選択すると対応する楽曲がサンプル再生される。
お洒落すぎる。
ニコニコ動画上のマイリストに時系列で並んでいる楽曲は、初期の曲~パノプティコンあたり、もしくは
そして、r-906さんは去年2021年の5月に
1st Full “2021” Album 『 in my hands 』
をリリースされています。
CDはもう在庫がないので気になる人は配信サービスで聴きましょう。
この『 in my hands 』ですが、収録内容はニコニコ動画に投稿された、夜が引いていくまでの楽曲を新しい機材で音周りを新規に作った楽曲が 2021 ver.として2曲のインスト曲とともに収録されています。
ニコニコ動画投稿のものと『 in my hands 』収録のものを聴き比べると、音の進化がすさまじい。
ベースが特に最高です。(個人的所感)
in my hands の視聴はこちらから(Apple Music)
in my hands のアートワークに描かれる両手はr-906さんの本アルバム収録曲の投稿サムネイルから構成され、中央の黒い長方形はスマートフォンを表しています。そこから湧き上がる文字は歌詞の1部。夜と月の主張と印象が強い。赤~紫色の丸は忘れてしまった・・・。
r-906さんの代表曲と言えばパノプティコンが1つ挙げられますが、アルバムで個人的に最高に好きで1番聴いているのは-ize 2021。
ちなみにパノプティコンの意味は全展望監視システムのこと。
詳しくはこちら
4.-ize 2021 / 初音ミク
-ize 2021のベースが好きすぎて、おそらくCメロに該当するであろう1:15~の
歪む延長戦、Now listen, Yo!
からの部分で鳴っているベースの音で脳内に快楽物質が大量に分泌されている気がします。
2Bメロ1:45~の
改訂、もう一回
の部分で鳴っている鍵盤の音も大好き。
最後の歌詞が
うずくまっている君の隣へたどり着けるから
が終わり方としてこれ以上無い素晴らしさ。
ちなみに、去年に2回ブログに書いていた。
良かったらそこを含めて全体的に読んで頂けるとうれしい(宣伝)。
なんなら三日月ステップを先にブログに書いていた。
5.ノウナイディスコ / IA [CeVIO AI]
ベースの音が良いのは当然として跳ねるようなシンセサイザーの音が素晴らしい。
キラキラ光っているような音。
ちなみにドラム以外の音はGrageBandで制作されたそうです。
武器や機材の性能に頼るのは三流の証らしいですけど、それを踏まえるとr-906さんは一流であるということですよね。
サムネイルも一昔前の某国営放送の教育番組のような凝ったサムネイル。
MVも時間経過で9:06の部分が変化したり、そもそも9:06にも意味があったりします。
IAのイラストが下半身のみなのは、上半身イラストが多い昨今ボカロMVのイラストに対するr-906さんの熱いこだわりが反映されています。
こだわりと言えばr-906さんの楽曲全てに言えることですが、音作り・サウンド周りが本当に素晴らしい。
こんなに聴いていて気持ちの良い音はそんなに無い。
音の輪郭が明瞭で楽器それぞれの音が分離しています。
6.アイソトープ / 可不
同位体(どういたい、英: isotope;アイソトープ)とは、同一原子番号を持つ[1]ものの中性子数(質量数 A - 原子番号 Z)が異なる核種の関係をいう。この場合、同位元素とも呼ばれる。歴史的な事情により核種の概念そのものとして用いられる場合も多い。
ざっくり言えば「同じではあるが違うもの・別のもの」
また、可不はVsingerである花譜の音楽的同位体。
タイトルとボーカルの時点でこのような2つの意味があるのは粋としか言い様がない。
曲が良いのは当然としてタイトルにすらこのようなことを仕込んでくるr-906さんのセンスが素晴らしすぎます。
7.まにまに / 初音ミク
言わずと知れたボカコレ2022春の優勝曲。
ウエダツバサさんのイラストはサポートで楽曲が圧倒的主役。
なんなら歌より曲がメインを張っている。
楽曲の構成がほぼ間奏とサビのみ。
『まにまに』のAメロ(とされている)部分はドラムンベースでいうサビだから『まにまに』は実質全部サビ(暴論)
— r-906 @『まにまに』 (@arukuremu) April 22, 2022
構成が無茶苦茶すぎて本当に狂っている(最大限の褒め言葉)。
まにまにでリスナーの固定観念が破壊されて狂いが広がっていく様が良かった。
歌詞には無いが、動画内にしっかり文字でVOCALOID COLLECTION 2022が入っている曲がてっぺんを獲る様もアツすぎる。
「雷鳴」のところのがなりも癖になります。
r-906さんの他の楽曲だとメカクシアニンにもがなりの箇所があります。
ボカロ曲と言えば速くて高い人間が歌うのを想定していない楽曲や王道ボカロックといった、全般的にわかりやすい、イメージしやすい曲が受けて流行るように思います。
しかし、今回のようなとんでもなく尖りに尖った曲が受け入れられて頂点に上り詰められるボーカロイド楽曲のシーンは音楽は自由で楽しいものだと言うことを改めて教えてくれて最高に素晴らしかった。
改めて
r-906さんボカコレ2022春ランキング1位おめでとうございます!!!!!!!!!
今後の活動も応援しています!!!!!!!!!